TAO通信

2012.11.29更新

 今年6月までの1年間(2011事務年度)における法人の黒字申告割合は25.9%と4年ぶりに増加したが、低水準が続いており7割強の法人が赤字だ。このような状況に便乗して実際は黒字なのに赤字を装う企業が後を絶たない。
 2011事務年度中に法人税の実地調査をした12万9件のうち4割強にあたる5万5千件は無所得申告法人の調査に充てられ、うち1割強の約6千社が実際は黒字だったことが、国税庁のまとめで判明した。
 調査結果によると、実地調査した5万5千件のうち約7割にあたる3万8千件から総額6104億円にのぼる申告漏れ所得金額を見つけ、加算税額70億円を含む356億円の税額を追徴した。調査1件あたりの申告漏れ所得は1103万円となる。また、実施調査したうちの22.9%の1万3千件は仮装・隠ぺいなど故意に所得をごまかしており、その不正脱漏所得金額総額は1503億円にのぼった。不正申告1件当たりの不正脱漏所得は1184万円。
 2011事務年度の無所得申告法人調査は、前年度に比べ6.0%増の実地調査を行い、申告漏れ件数は4.0%増、不正計算のあった件数は1.1%増となった。この結果、黒字となった法人が約6千社あったわけだが、調査で把握された1件あたりの申告漏れ所得1103万円は、前年度から12.7%減少したものの、法人全体の平均914万円を大幅に上回る。ここに、赤字の仮装などの観点から、無所得法人に対する調査を重点的に実施する背景がある。

投稿者: TAO税理士法人

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