先日、上野の東京国立博物館の運慶展に行ってきました。当日は平日にもかかわらず会場は大盛況でした。
土日ともなると入場制限がかかることもあるそうです。
(開催期間:9/26~11/26。入場料:一般1600円。休館日:月曜日)
芸術・仏像とはほとんど無縁の私ですが、子供の頃に見た東大寺の仁王像(金剛力士像)の印象が強烈に残っており、いつか運慶の作品をもっと見てみたいと思っていました。新聞か何かで運慶展を知り、思い切って出かけてみました。
ちなみに運慶の作といわれている彫像は全部で31体だそうで、今回の運慶展ではそのうちの22体が展示される史上最大規模の展示だそうです。
当日は数時間かけて会場をじっくり見てまわりましたが、案の定、上品な大日如来像にはあまり興味がわかず、筋骨隆々の守護神像やユーモラスさを感じる「邪鬼」をじっくり見てきました。
私のお気に入りは下記です。
①二組の木造四天王立像:筋骨隆々の4人の守護神
一組は康慶(こうけい。運慶の父)作で、もう一組は運慶の作と考えられているもの。いずれも高さ2メートルもある大作です。
②康弁(こうべん。運慶の息子)作の木造天燈鬼・龍燈鬼立像:力強さとコミカルさを併せ持つ像
③運慶作の無著・世親(むじゃく・せしん)立像:教科書でしか見たことがなかった高僧の像。守護神等とは対象的に静を感じる像ですが、実にリアルで今にも動き出しそうなところに引き寄せられました。
著作権の関係でこれらの彫像の写真を直接掲載するのは控えます。代わって末尾に運慶展の公式ホームページのURLを示しますので、これをクリックし、公式ホームページの写真を見てください。
イラスレータの三浦純氏によると、運慶の作品のリアリティは「忠実な写実」によるものではなく、リアルに見せるための巧妙な「デフォルメ」の賜物との分析でした。なるほど、単なる写実ではこれほどの迫力は出ないだろうと実感しました。
上野公園を歩いたのも随分久しぶりでした。公園内の散歩の副産物として野口英世の銅像と、また、国立西洋美術館の前庭で、ロダンの「カレーの市民」、「地獄の門」、「考える人」の彫刻とも出会うこともできました。
たまには、非日常の世界に思い切って飛び込んでみるのもいいものだと思った一日でした。
☆運慶展の公式ホームページ:http://unkei2017.jp/
背景が次々かわる 案内のポスターの下にある「主要作品」というメニューをクリックし、表示されたページをさらに下のほうにスクロールすると、次のような章立で写真が順次表示されます。
第1章「運慶を生んだ系譜」・・・運慶の父親である康慶との関係
第2章「運慶の彫刻」・・・ 運慶の彫像のかずかず・・・上記①と③
第3章「運慶風の展開」・・・ 運慶の子供や弟子による彫像・・・上記②
☆上記彫像の本来の所有寺院としての興福寺のホームページ:http://www.kohfukuji.com/
ホームページの右側に表示されている「興福寺の『秘宝』に出会うかんたん文化財検索」という Adobe Flashのメニューで「安置場所から探す」⇒「南円堂」or「北円堂」or「国宝館」
⇒「検索開始」で表示される彫像名を選択してください。
☆国立西洋美術館
カレーの市民⇒http://collection.nmwa.go.jp/S.1959-0008.html
地獄の門⇒http://collection.nmwa.go.jp/S.1959-0045.html
考える人⇒http://collection.nmwa.go.jp/S.1959-0040.html
(M.K)