TAO通信

2012.06.26更新

 国税庁・国税不服審判所がこのほど公表した不服の申立て及び訴訟の概要によると、今年3月までの1年間(2011年度)の不服申立て・税務訴訟を通しての納税者救済・勝訴割合は10.6%となったことが分かった。
 税務署等に対する異議申立ての発生件数は、申告所得税や法人税等など軒並み減少し、全体では3803件となった。処理件数は、「棄却」3082件、「一部取消」331件、「全部取消」44件など合計4511件。納税者の主張が一部でも認められたのは375件で、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を1.7ポイント下回る8.3%だった。
 また、税務署の処分を不服とする国税不服審判所への審査請求の発生件数は、徴収関係以外は増加し、全体では3580件。処理件数は、「棄却」1994件、「一部取消」285件、「全部取消」119件など合計2967件だった。納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同0.7ポイント増の13.6%となった。
 一方、訴訟となった発生件数は、ほとんどの税目で増加し391件。終結件数は、「棄却」287件、「国の一部敗訴」20件、「同全部敗訴」31件など合計380件。国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同5.6ポイント増の13.4%となり、最近10年間では3番目に高い割合となった。
 全体でみると、2011年度中に納税者の主張が一部でも認められたのは、処理・訴訟の終結件数の合計7858件のうち830件で、その割合は10.6%となった。

投稿者: TAO税理士法人

2012.06.26更新

 イオンリテールが6月1日から全国約1200店で開店時間を早朝7時に繰り上げた。この大胆な試みは同グループでも未知への挑戦だが、同業他社もその行方に注目している。
 同グループの戦略はスタートから3ヶ月、9月までの限定、で今後につながる新たなマーケティングの試行の意味もある。特に客層として狙いを定めたのはシニア層とサマータイムの通勤客層としている。明らかに学生などコンビニ客層を意識しての価格設定もして早朝需要に懸ける。間もなく午前7時の開店から1ヶ月になるが、割引クーポン発行や日替わりで5%引きなどを刺激剤にして、3ヶ月間で170億円の増収を見込んでいるそうで、目下、売上げなどの公表はないが、滑り出しは上々のようだ。
 イオンは客層にシニア層をターゲットにしているそうだが、大震災以降、開店時間を従来より早めている業種は居酒屋、レストランなど飲食業に目立っている。ラーメン店、日本そば店などは、時間で居酒屋と混合店にするなど複合型も増えた。これはシニア層の取り込みを狙って価格を抑え、「年金酒場」などと揶揄されようと「立ち飲み」感覚を貫いている。今年も節電生活を余儀なくされるから、早出・早退の中高年勤労者、OLが増えることは間違いない。
 イオンの取組は勤務時間のシフト、品出し作業等々、内部変更の壁もあり他社の追随はない。新たなビジネスモデルへの挑戦は評価される。

投稿者: TAO税理士法人

2012.06.20更新

 60歳以上のシニア世代の年間消費支出が2011年に100兆円を突破した。これは民間のシンクタンク推計や総務省家計調査で分った。突破は調査開始以来、初めてで、個人消費全体の44%に達している。これを高齢者世帯(65歳以上)の1ヶ月の消費支出で見ると、07年からは5%ほど減っている。世帯では減ってもシニア人口の増加で全体の支出額を押し上げたのが主因だ。
 これに対して世帯主が40歳台の現役世代の個人支出は7%減った。こちらは厳しい経済状況-雇用環境が背景にあることは明白 だ。たとえば家計調査で、もっともお小遣いが使える20歳台の外食費用が08年以降急減した。リーマンショックで賃金が伸び悩み、大震災も災いした。
 今年から「団塊世代」が65歳を迎える大量退職が本格化する。とともに企業業績不振で定年前早期退職の傾向も輪をかけて増えているのは不安要素だ。ただしこの層には一時金とはいえ退職金プラスαが支払われる。当然、企業の目はシニア消費の市場へと向き、取り込もうと商戦が始まっている。しかしシニアの多くは生活設計の建て直しの方に向くと予想される。
 「60歳までにやっておけばよかったこと」(日本経済新聞調査)によると、「しておいてよかった」のは①持ち家の確保(退職までにローン完済)②病気に備え保険加入③年金で暮らせるように生活資金の見直し-だった。今も昔も日本人は投資や消費に不向きの国民性といえよう。

投稿者: TAO税理士法人

2012.06.20更新

 給与を支払う際に源泉徴収する税額は、その支払いの都度、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求める。この税額表には、「月額表」、「日額表」、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の3種類がある。
 月額表には、給与の支払い形態によって甲欄、乙欄、丙欄(日額表のみ)を使用するが、その適用誤りによるミスが少なくない。 適用区分だが、「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されている場合には「甲欄」、提出がない場合には「乙欄」で税額を求める。「丙欄」は、「日額表」だけにあり、日雇いの人や短期雇い入れるアルバイトなどに一定の給与を支払う場合に使う。
 源泉徴収漏れが多いのは、パートやアルバイトなど正社員以外の人に給与を支払う際だ。源泉徴収する税額は、一般の社員と同様に「給与所得の源泉徴収税額表」の「月額表」または「日額表」の「甲欄」・「乙欄」を使って求める。
 ただし、給与を勤務した日や時間によって計算していることのほか、(1)雇用期間があらかじめ定められている場合には、2ヵ月以内であること、(2)日々雇い入れている場合には、継続して2ヵ月を超えて支払をしないこと、のいずれかの要件に当てはまる場合には、「日額表」の「丙欄」を使って所得税額を求めることになる。
 だから、パートやアルバイトに対して日給や時間給で支払う給与は、あらかじめ雇用契約の期間が2ヵ月以内と決められていれば、「日額表」の「丙欄」を使うことになる。

投稿者: TAO税理士法人

2012.06.12更新

 国税庁がこのほど発表した2011年分所得税等の確定申告状況によると、所得税の確定申告書を提出した人は、前年を5.6%下回る2,185万3千人となり、3年連続の減少となった。これは、景気の低迷により申告納税額がある人(納税人員)が同13.5%減の607万1千人と6年連続で減少したことなどが要因とみられている。
 納税人員の減少に伴い、その所得金額は同2.9%下回る33兆6,790億円と、5年連続で減少した。
 しかし申告納税額は、前年を2.9%上回る2兆3,093億円となり、4年ぶりの増加となった。これは、2010年度税制改正で、15歳以下の親族を扶養する納税者を対象とした年少扶養控除の廃止などの影響とみられている。
 申告納税額は、ピークの1990年分(6兆6,023億円)の約3分の1に当たる。なお、還付申告者数は、6年ぶりに減少した前年から0.9%と微増の1,279万2千人となったが、申告者全体の約59%を占めている。
 一方、贈与税の申告状況をみると、暦年課税を適用した申告者は前年に比べ9.7%増の37万9千人、うち納税額がある人は同12.9%増の27万1千人、その納税額は同10.8%増の1,228億円と伸びた。1人当たりの納税額は同1.9%減の45万円。相続時精算課税制度に係る申告者は同1.9%減の4万9千人、うち納税額があった人は同4.0%減の3千人、申告納税額は同3.1%減の191億円。1人当たりの納税額は同1.0%増の600万円だった。

投稿者: TAO税理士法人

2012.06.12更新

 ここ2~3年、コンプライアンス(法令順守)違反で倒産する企業が相次いでいる。「コンプラ違反」は、不可避な天災などでなく、悪知恵を長期間、醸成させた確信犯で悪質とされる。
 帝国データバンク第8回調査では、2011年度の1年間に、倒産理由にコンプライアンス違反を確認できた企業(負債額1億円以上の法的整理)は159件(前年度比38.3%増)にものぼる。これは調査を開始した2005年度以降、最多記録という。違反類型別では「粉飾」(59件、同37.1%)が6年連続でトップとなった。11年度コンプライアンス違反を糾弾された大手企業といえば大王製紙とオリンパス。この2社は旧態依然の経営体質を引きずり、特にオリンパスは国際標準を甘く見た。粉飾決算や循環取引などで倒産した中堅企業は安愚楽牧場、丸大証券、水谷建設など10社近くにのぼる。安愚楽牧場は過剰営業を指摘されたが、顧客の預かり資産運営というビジネスモデルは破綻した。丸大証券も預かり資産を不正流用した。暴力団排除条例が施行され、暴力団へ利益供与が疑われる企業名公表や行政処分が全国で相次ぎ、経営破綻も出た。
 中小企業の違反の多くは粉飾だが、新規借り入れが困難となった背景を無視できない。現行の会社法では不祥事防止に内部統制システムの構築を義務づけている。中小会社はその対象外とはいえ、企業活動が経済、社会、環境におよぼす影響は計り知れない。コンプライアンスの徹底は企業の社会的責任である。

投稿者: TAO税理士法人

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