TAO通信

2016.03.30更新

税務調査というと、所得税や法人税、消費税などを想像するが、国税当局では、契約書や手形、金銭の受取署等の文書である印紙税についても調査を実施して適正な課税に努めている。

印紙税の課税物件は、各種の契約書、手形、株券、金銭の受取書などの文書だ。2014年4月以降に作成される「金銭又は有価証券の受取書」については、非課税の範囲が、受取金額3万円未満から5万円未満に引き上げられたのは記憶に新しいところ。

印紙税は、文書の作成者が課税文書に収入印紙を貼り付けて消印する方法や、税務署に所定の手続きをして現金で納付する方法で課税されている。このような自主的な納付形態であることから、収入印紙の貼り付けや消印をしなかった場合の追徴等としては、貼り付けをしなかった場合は不足税額の3倍相当額(不納付について自主的に申出があった場合は1.1倍)、消印をしていなかった場合は税相当額が徴収されることになっている。

国税庁によると、2014年度の現金納付分の課税額は1674億円(前年度1891億円)、課税人員は16万7452人(同16万6469人)だった。

また、昨年6月までの1年間(2014事務年度)の調査状況では、3472場(前事務年3398場)に対して調査等が行われ、その結果、約9割に当たる3065場(同3023場)から収入印紙の貼り付け不足等が見つかり、その不足税額は27億7400万円(同34億2700万円)にものぼる。

投稿者: TAO税理士法人

2016.03.24更新

2016年度税制改正では、非居住者にも住宅ローン控除等の適用が拡大され、また、「多世代同居改修工事」に係るリフォーム減税が創設される。現行の住宅ローン控除等の規定では、「居住者」が住宅の取得等をし、居住の用に供した場合に限り、控除等の適用が受けられる。そして所得税法では、居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続き1年以上居所を有する個人をいい、居住者以外の個人を「非居住者」と規定している。

このため、例えば、長期海外勤務により非居住者となっていた会社員が、帰国後に居住者として住宅の取得等をした場合は住宅ローン控除等が適用されるのに対して、帰国後の住居の確保のために前もって非居住者期間中に住宅を取得等した場合は適用されなかった。

今後も海外勤務をする者の増加が見込まれることから、改正では控除等の適用対象者を「居住者」から「個人」に見直し、居住者以外でも特別控除の適用ができるように整備した。

この改正は、2016年4月1日以後に取得・増改築等する住宅から適用される。

また、2016年度税制改正大綱で盛り込まれていた「三世代同居改修工事をした場合のリフォーム減税の創設」は、法案では「多世代同居改修工事等」と改められ、「三世帯」だけでなく、「二世帯」同居のための改修工事を行った場合等でも適用できるようになるようだ。

投稿者: TAO税理士法人

2016.03.16更新

2015年8月に第189国会で成立した中小企業経営承継円滑化法及び小規模企業共済法の一部改正について、その施行期日を2016年4月1日とする施行期日令が閣議決定された。

中小企業経営承継円滑化法の一部改正は、中小企業における経営の承継をより円滑化するため、対象が親族内承継に限定されている遺留分に係る民法の特例制度を親族外承継にも拡充するもの。

改正の背景には、事業承継の形態が多様化し、20年前は親族内承継が約9割だったが、近年は親族外承継が約4割と増加傾向であるため、親族外承継を円滑化するための措置を講じることが必要との考えがあった。

そこで、中小企業経営承継円滑化法の一部改正において、対象が親族内承継に限定されている「遺留分特例制度」について、親族外承継の際にも活用できるように、制度を拡充したもの。

一方、小規模企業共済制度とは、いわば「経営者の退職金制度」で、個人事業者や会社等の役員が、廃業・退職後の生活の安定等を図るための資金として積み立てを行う制度。

現行制度は、廃業した場合に最も多額の共済金を支給するが、改正後は、個人事業者が親族内で事業承継した場合も、廃業と同様の支給額とする。例えば、月額4万円で20年間納付した場合の支給額は、廃業時は1115万円だが、現行968万円の親族内承継時も同額となる。

投稿者: TAO税理士法人

2016.03.10更新

渡切交際費とは、役員や従業員に対して交際費など会社の業務のために使う目的で金銭を支出したにもかかわらず、その使途や使用金額について精算を要しないものをいう。このような支出は名目上交際費として会社が支給をしたとしても、領収書等の証拠資料をもって精算がされないような交際費は、支給を受けた人間が自由に処分できるので、給与の性質を有するものと考えられ、交際費には該当しないこととされている。

したがって、渡切り交際費が毎月定額で役員に支給されるような場合は、定期同額給与となるので、通常の役員給与に合算した上で過大役員給与かどうか判断され、過大であると認められる部分の金額は損金に算入されないことになる。また、役員に対し臨時的に支給するもの、毎月不定額で支給するものは「役員賞与」として、損金の額には算入されないので注意が必要だ。

例えば、会社によっては、接待の機会が多くなる年末や年始だけに渡切交際費を支給するというようなことも考えられるが、それが役員に対して支給されるものであれば、その金額は支給した役員に対する臨時的な給与として扱われ、この場合には、その内容を事前に税務署長に届出(事前確定届出給与)していない限り、損金の額に算入することはできない。

また消費税法上も、このような渡切交際費は仕入税額控除の対象外となる。

投稿者: TAO税理士法人

2016.03.04更新

毎年12月に取りまとめられる税制改正大綱では、税制改正法案に盛り込まれるもの以外に政省令や通達レベルの取扱いの見直しも含まれるが、昨年12月16日に公表された2016年度税制改正大綱にもいくつか明示されている。

その1つが、「所得税法施行令の一部を改正する政令」により見直される通勤手当の非課税限度額の引上げがある。通勤手当の非課税限度額の引上げは、1998年に月5万円から10万円に引き上げられて以来18年ぶりの見直しとなる。

今回の見直しでは、月10万円とされている通期手当又は通勤用定期乗車券の非課税限度額が、5万円上乗せされて月15万円となる。

今後、非課税とされる通勤手当の金額を定めた所得税法施行令を改正することになるが、適用は、今年1月1日以後に受けるべき通勤手当について適用される予定となっている。政令改正は3月の年度末あたりと考えられることから、遡っての適用となる。通勤手当は支給することが法律で義務付けられてはいないが、9割以上の企業が導入しているとみられる。企業によっては、就業規則等で、通勤手当の上限額について具体的な金額を明示せず、税法上の「非課税限度額を上限」などと規定しているところも少なくないと思われるが、このような企業では、就業規則等を変更しない限り、税制改正による通勤手当の上限額の引上げが自動的に適用されることになるので要注意だ。

投稿者: TAO税理士法人

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