TAO通信

2018.07.31更新

特例事業承継税制(特例税制)は、自社の非上場株式を先代経営者から後継者へ承継することによる相続税・贈与税が実質的にゼロとなる制度です。ここでは、贈与に絞ったものを簡略化して適用関係をまとめてみました。

  ⑴ 先代経営者 ⑵ 特例経営承継受贈者(贈与のケース)
会社の代表者であったこと 会社の代表者であること
被相続人と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有 20歳以上であり、かつ役員就任後3年を
経過していること
同族関係者(特例経営承継相続人を除く)の中で筆頭株主であったこと 同族関係者と合わせて発行済議決権株式総数の過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中に保有株式数の上位者がいないこと
平成39年12月31日までに株式を後継者
に一括して贈与する
贈与時から認定申請日まで引き続き、贈与により取得した会社の株式の全てを保有していること


 この特例税制が適用できるのは、中小企業基本法で制定された中小企業です。ただし、常時使用する従業員が1人以上いることなどの要件があります。  また、資産管理会社や医療法人、社会福祉法人、風俗営業会社なども適用対象外になります。資産管理会社とは、有価証券、自ら使用していない不動産、現預金等の特定資産の保有割合が総資産の総額の70%以上の会社(資産保有型会社)や、これらの特定の資産から運用収入が総収入の75%以上の会社(資産運用型会社)をいいます。なお、一定の要件を満たす場合には、資産管理会社に該当しないものとみなされ、特例税制の適用を受けることができます。

投稿者: TAO税理士法人

2018.07.05更新

平成30年度税制改正において、事業承継税制の要件等が大幅に見直されたました。本特例のポイントや、その適用関係の概略をご説明します。

 

1.承継計画の策定

特例税制の適用を受ける前提として、経営革新等支援機関の指導及び助言を受けて「承継計画」を作成することが必要です。承継計画の提出期間は平成30年4月1日から平成35年3月31日までに限られます。なお、平成35年3月31日までの贈与・相続については、贈与・相続後に計画を提出することも可能です。また、仮に計画提出後に贈与をしなくても罰則等はありませんので、承継の具体的な予定がなくても、まずは計画の提出を検討してもいいかもしれません。

 

2.相続税•贈与税の納税猶予

特例税制を適用し、後継者が自社株式の贈与税の納税猶予を受けている場合は、贈与者が亡くなったときに、贈与された自社株式を相続したものとみなして、相続税の課税対象としたうえで、さらに相続税の納税猶予を受けることができます。あるいは、自社株式の贈与を受けていない場合でも、先代経営者が亡くなったときに、自社株式を相続して事業を引き継げば、相続税の納税猶予を受けることができます。特例税制の適用は、平成30年1月1日から平成39年12月31日までの贈与及び相続に限られますが、この間に特例税制を適用して贈与を行うことで、平成40年1月1日以降に相続が発生した場合でも、全額が納税猶予されます。

 

3.贈与者と受贈者

特例税制では、複数の株主から複数の後継者(最大3人)への自社株式の贈与•相続も対象となりました。先代経営者の配偶者や第三者からの贈与•相続や、代表権を有するなど一定の要件を満たせば他の後継者にも、贈与•相続が可能です。

 

4.相続時精算課税との併用

平成29年度税制改正により、後継者(受贈者)が推定相続人(子又は孫)であれば、相続時精算課税の併用が認められることとなりました。平成30年度税制改正では、上記に加え、親族外の後継者等に対する贈与についても、相続時精算課税の併用が可能となりました。相続時精算課税との併用は、猶予期限の確定事由が発生した時に相続時精算課税を選択するのではなく、贈与税の納税猶予の適用を受ける年分に相続時精算課税の選択をしておくことが必要です。

 

5.事業承継税制と民法特例

民法の特例として経営承継円滑化法には、①「贈与株式等を遺留分の対象から除外する合意制度」と、②株式承継後、後継者の功績により株式評価額が承継時よりも上昇した部分を遺留分請求の対象外とする「株価評価額の固定合意制度」が用意されています。特例税制を適用する際には、この民法特例の活用についても検討が必要です。

投稿者: TAO税理士法人

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