小売業のお客様
商品仕入予算策定の留意点
- 売上高計画、在庫計画との連動
- 商品仕入予算は、売上高計画と在庫計画をもとに商品群別に立てることが原則です。限界利益増加のポイントは、代替品への切替、新用途の開発、商品企画による差別化、仕入価格の引き下げ等です。
- 季節変動に伴う在庫を考慮
- 商品仕入予算は、売上の季節変動に伴う在庫増減を考慮する必要があります。繁忙期には在庫を増加させ、閑散期には在庫を削減する必要があります。 限界利益増加のポイントは、商品ライン、アイテムの再検討、在庫の削減等です。
- 販売費予算の設定
- 販売費予算のうち、変動費的要素を含む経費については、販売量や売上高をもとに予算編成をします。限界利益増加のポイントは、物流費や包装資材費など販売に関係するコストを全て例外なく見直すことです。
製造業のお客様
製品原価予算策定の留意点
- 製品ごとの生産計画
- 製品ごとの生産計画は、販売数量計画をもとに生産数量計画を立案します。具体的には、販売数量に在庫増減を加味して出荷数量を算出し、これをもとに生産数量を計画します。限界利益増加のポイントは、生産時間の短縮、生産過程における仕掛品の削減、設計図面の見直し等です。
- 材料費、外注費予算の設定
- 材料費予算については、製品ごとの原価構成から材料費比率を捉え、計画します。外注費予算については、自社で加工できない業務を外注にする場合は、十分な調査データをもとに計画し、自社の加工能力の不足分を外注する場合は、自社の加工費から計画します。限界利益増加のポイントは、仕入・外注単価の引き下げ、代替品への切替え、製品機能の見直し等です。
- 製造経費予算の設定
- 製造経費については、経費科目別に内容を吟味して予算を立てますが、変動的要素の強い科目については、製品単位当たりの使用量、単価などを勘案して計画します。
なお、固定的要素の強い科目については、科目ごとに内容を検討し、費目ごとにゼロベース(利益への貢献の有無により予算化を検討)で予算を設定します。
建設業のお客様

- このままではいけないという強い気持ちや危機感を抱いていること。
- アンテナを高くし、世の中のニーズの変化に対して敏感であること。
- 能動的に行動し、自社の経営資源を最大限に活用すること。
- リスク管理を徹底し、大けがしないうちの撤退も視野に入れること。
- 組織のリーダーとして自ら先頭に立って指揮をとっていること。
- 信頼できる有能な社員を有していること。

建設業では工事コストの管理は実行予算によって行われます。実行予算とは、受注した工事について工事着手前に立てる予算のことです。
利益率向上を目指すうえでポイントとなるのは実行予算です。建設工事の請負代金は通常契約時に決まっているので、利益を出すにはひとつひとつの工事のコストを管理し確実に利益を積み上げていかなければなりません。公共事業が多かった時代には勘と経験に頼った経営が成り立ったにしても、いまの時代を乗り切るには数字にもとづく経営への切り替えが不可欠です。
実行予算は、経営面では企業の目標利益を予測するもとに、工事面では個々の工事のコストの目標値に、購買面では外注業者への発注額をチェックする指標に、営業面では次の工事案件の営業のための参考情報になるなど、大切な役割を果たすものです。
飲食業のお客様
売上アップのポイント
- 客数のアップ…固定客の増加と来店頻度の上昇および新規客の獲得と新規客の固定客化。
- 客単価のアップ…1皿当たりの分量を減らして多くのメニューを楽しめるようにし、1人当たりの買い上げ個数を増加。
原材料費管理のポイント
実際原価と目標値である標準原価との差が原材料のロスであり、実際原価率を標準原価率にどれだけ近づけるかが重要です。人件費+原材料費を売上の60%以下に収めることが健全経営ポイントです。
- 標準原価率=(各メニューの販売数×各メニューの標準原価÷今月の売上高)×100
- 実際原価率=(月初の棚卸し額+今月の仕入額-月末の棚卸し額)÷今月の売上高×100
人件費管理のポイント
- 人時売上高(1人1時間当たりの売上高)=売上高÷全従業員の労働時間数合計 →標準4000円・目標5000円以上
- 人時生産性(1人1時間当たりの稼ぎ高)=月間粗利益高÷全従業員の労働時間数合計 →目標4000円以上
- 労働分配率(粗利益に占める人件費の割合)=人件費÷粗利益 →標準38~42%・目標35~37%
理美容業のお客様
売上アップのポイント
- 新規顧客の獲得
- 新規顧客獲得のためにはまずは既存顧客からの紹介が重要で、既存顧客にいかに感動を与えられるかが紹介件数の増加につながります。紹介による新規顧客獲得はコスト面や顧客囲い込みの面においても効率的です。
- リピーター作り
- お客様との円滑なコミュニケーションが重要であり、安心感・期待感・信頼関係の構築につながります。
- 来店頻度アップ
- 楽しさ・感動・新発見を演出し、お客様に頻繁に来たいと思ってもらえる工夫をすることが大切です。
- 客単価アップ
- 安易にメニュー料金を改定するのではなく、スタッフのコミュニケーション力と提案力に磨きをかけていくことが重要です。
- 付加価値の創造
- 自らの「強み」を把握し、他との差別化を図っていくことが必要です。
- 店販の強化
- お客様の要望を確認のうえお客様に合った商品をプロの視点から提案します。自分本位で商品をお薦めするのではなく、「お客様のために」という思いを持つことが大切です。
サービス業のお客様
固定費予算策定の留意点
- 人件費
- 人件費予算が固定費予算の柱になるので、他の固定費と分けて予算化します。また、役員報酬、給与、労務費、法定福利費、福利厚生費、賞与、退職金等細かく予算化します。
- 人件費以外の固定費
- 人件費以外の固定費は費目ごとにゼロベースできめ細かく予算化します。過去の実績にとらわれることなく、年度の経営方針に基づいた活動計画を考慮しこれに沿って予算を決めます。
- 支払利息
- 支払利息は固定費として認識します。支払利息予算は、資金計画を編成していない段階では概算で計上し、資金計画がある場合は、借入・返済計画に整合するように支払利息計画を立てます。金利引下げが予定されている場合であっても、計画時点で確定していなければ、計画に織り込まず、逆に金利引上げが見込まれる場合は、確定していなくても計画に織り込み金利変動リスクを見込む姿勢が必要です。
- 部門別予算
- 経営コントロールをより有効に行うために、予算を管理可能性の有無により分類し、業績評価、業績責任を明確にします。予算はその部門や部門責任者の責任範囲を表しており、部門責任者が権限を持っている経費科目や管理可能な費目について、予算を設定するのが合理的であり、それが責任予算ということになります。部門で管理できない経費については、使用権限を持っている部門で編成します。