今年6月までの1年間(2013事務年度)における法人の黒字申告割合は29.1%で3年連続増加したが、低水準は変わらず7割強の法人が赤字だ。このような状況に便乗して実際は黒字なのに赤字を装う企業が後を絶たない。同事務年度中に法人税の実地調査をした9万1件のうち4割近い3万5千件は無所得申告法人の調査に充てられ、うち1割強(12%)の約4千社が実際は黒字だったことが、国税庁のまとめで判明した。
調査結果によると、実地調査した3万5千件のうち、約7割に当たる2万4千件から総額2809億円にのぼる申告漏れ所得金額を見つけ、加算税51億円を含む261億円の税額を追徴した。調査1件当たりの申告漏れ所得は808万円となる。
また、実施調査したうちの22.8%の8千件は仮装・隠ぺいなど故意に所得をごまかしており、その不正脱漏所得金額総額は986億円にのぼった。不正申告1件当たりの不正脱漏所得は1245万円。
2013事務年度の無所得申告法人調査は、前年度に引き続き改正国税通則法の影響で1件当たりの調査日数が増えたことから、実地調査件数はやや減少している。それでも、黒字転換した法人は前年度とほぼ同様の約4千社あったわけだが、調査で把握された1件当たり申告漏れ所得金額は808万円とかなり高額だ。
ここに、赤字の仮装などの観点から、無所得法人に対する調査を重点的に実施する背景がある。
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