国税庁・国税不服審判所が公表した異議申立てや審査請求、訴訟の概要によると、今年3月までの1年間(2015年度)の不服申立て・税務訴訟等を通しての納税者救済・勝訴割合は8.2%となった。
税務署への異議申立ての発生件数は、前年度から15.8%増の3191件となった。処理件数3200件のうち、「一部取消」は212件、「全部取消」は58件で、納税者の主張が一部でも認められたのは計270件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を0.9ポイント下回る8.4%だった。
また、税務署の処分(異議決定)を不服とする国税不服審判所への審査請求の発生件数は、過去最低だった前年度と比べ3.3%と微増の2098件。処理件数2311件のうち、「一部取消」は147件、「全部取消」は37件で、納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同横ばいの8.0%となった。
一方、裁判での訴訟となった発生件数は前年度を2.5%下回る231件だった。終結件数262件のうち、「国の一部敗訴」は3件、「同全部敗訴」は19件で、国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同1.6ポイント増の8.4%となっている。
このような納税者救済・勝訴割合は、あくまでも結果論だが、全体でみると、2015年度中に異議申立て・審査請求・訴訟を通して納税者の主張が一部でも認められたのは、処理・訴訟の終結件数の合計5773件のうち476件で、その割合は前年に比べ0.4ポイント減の8.2%となった。