TAO通信

2013.05.29更新

旅行を企画する際に必ず気にすることの一つにキャンセル料があります。このキャンセル料を会社等が支払った場合、企業の経理担当者としては、消費税の取扱いがどうなるのかは押さえておくべきポイントでしょう。
いわゆるキャンセル料といわれるものの中には、その解約に伴う事務手数料としての性格のものと、解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格のものとの二つがあります。このどちらに該当するのかによって消費税の取扱いが異なってきます。前者の解約に伴う事務手数料としての性格の場合は、解約手続き等の事務を行う役務の提供の対価だから課税の対象となります。一方、後者の場合には、相手方が本来得ることができたであろう利益がなくなったことの補てん金だから、資産等の譲渡等の対価に該当せず、不課税取引となります。例えば、航空運賃のキャンセル料などで、払戻し時期に関係なく一定額を支払うこととされている部分の金額は、解約に伴う事務手数料に該当し課税対象となりますが、搭乗日前の一定日以降に解約した場合に支払う割増しの違約金部分は課税対象とはなりません。
なお、解約等に際し授受することとされている金銭のうちに、役務の提供である解約手数料等に相当する部分と解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金に相当する部分とが含まれているときには、その全体を資産の譲渡等の対価に該当しないものとして、全額を不課税取引として取り扱うこととされています。

投稿者: TAO税理士法人

2013.05.22更新

マーケティング理論の「マーケティング・ミックスの4P」は1960年代初頭、アメリカで生まれ現代でも応用されます。4つのPとは、製品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、流通(Place)を指し、その組合せ如何で市場優位性を保てる、というもの。
専修大・高橋義仁教授(商学部)は「それは市場での差別化」と同義で、「差別化製品は、マーケティング・ミックスの内、1つないし複数の点を差別化の対象とし、顧客から望ましい反応の引き出しに成功している」といいます。
その好例としてヤマト運輸の宅配事業を挙げています。しかし一方では、顧客視点ではなく、自己満足(自社満足)と思えるような「誤った差別化」が横行しているとも警告します。それは海外で通用しない携帯電話、家電・電子製品等で、象徴はアップル社のiPhone、iPadが世界を席巻したことで日本の敗北を決定づけました。
同教授は日本には「イノベーションのジレンマあるいは技術開発優位の罠がある」と指摘します。日本企業はこれまでアメリカにマーケティング理論など教えてもらい、自動車を筆頭に成功をおさめてきました。しかし次代の差別化製品が生めなくて、例えば電子製品で苦戦しているシャープが新分野へ転進するといいます。
4Pの基本として、顧客視点抜きでの差別化成功はあり得ません。今、過去の栄光との決別に改めて4Pが注目されています。

投稿者: TAO税理士法人

2013.05.16更新

2014年1月に始まる少額投資非課税制度(日本版ISA)の愛称が「NISA(ニーサ)」に決まったことを受けて、証券会社各社や金融機関が一般投資家向けの金融商品の相談窓口の拡充や口座開設受付する体制に入った。ニーサは投資信託や上場株式等のための非課税制度だが、日興アセットのように「投資マル優」と併記するなど、かつての人気制度・マル優のイメージを前面に出す会社もある。各社のパンフレットでは購入の仕方など懇切・丁寧さが目立つ。
ニーサの特徴は、たとえば非課税になる金額の上限は、2014年から2023年(10年間)で、毎年100万円(最大500万円まで)。年間100万円の範囲内であれば一括でも複数回に分けて使用することもできる(2年目からは前年の上限が100万円未満であった場合でもその部分に対し追加購入することはできない)など。
ニーサは「投資マル優」を謳い文句にするくらいだから投資元本の、き損リスクが低いなど、投資の初心者も呼び込むことで投資家の裾野を広げることを目的としている。さらに今、長期的収益の積上げを目指す金融商品を待望する経済環境の好機と判断したと専門家は分析する。
一方、MRIインターナショナル事件などで投資信託への不安感は消えない。しかし世界的な金融緩和で、日本人~とりわけ中高年が神話のように堅守してきた「投資より貯蓄」志向の殻は破られるか、来年以降、見ものである。

投稿者: TAO税理士法人

2013.05.15更新

赤字傾向ではあるが利益対策はしておきたいという会社の間で近年、生命保険を活用した決算対策が浸透してきた。王道は養老保険のハーフタックスプラン。会社を契約者及び満期保険金受取人、役員及び従業員を被保険者、死亡保険金受取人を被保険者の遺族とした場合、会社が支払う保険料の2分の1を損金に算入できる。
満期の際は満期保険金額と資産計上額の差額が雑収入となるが、全額を退職金として支払うことで損金算入できる。ただし、支払保険料を福利厚生費で落とす場合は「普遍加入」が条件となるので注意が必要だ。役員だけを対象として保険に加入する場合、保険料の2分の1は給与扱いとなるが、「定期同額給与」とみなされれば損金に算入できる。定期同額給与は、「その支給時期が1ヵ月以下の一定の期間ごとである給与でその事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの等」とされている。
そこで、月払保険料は含まれても、年払いや一括払いについては「1ヵ月以下の一定の期間ごと」という表現にひきずられて含まれないと思いがちだ。しかし、月払保険料を基礎として算定されたもので、「経常的に負担するもの」であれば定期同額給与とみなされる。ただし、一時払いの保険料については、もともと一時払いを前提に設計されたもので「月払いの変形」というものではない。このため、国税庁では、保険料相当額をまとめて支給したものと考え、定期同額給与とは認めていない。

投稿者: TAO税理士法人

2013.05.01更新

国税庁はこのほど、2013年分の路線価を7月1日(月)に全国の国税局・税務署で公表する予定であることを明らかにした。
路線価は、相続税や贈与税における土地等の評価額算定の際の基準となるもの。
昨年7月に公表された2012年分の路線価では、標準宅地の平均額が前年を2.8%下回り、実質的に4年連続の下落となった。路線価は、1月1日を評価時点に、公示価格の8割程度が目安とされている。
今年1月1日時点の公示地価は国土交通省が今年3月に公表したが、全国全用途平均で前年比1.8%減と5年連続で下落した。
しかし、下落幅は縮小傾向を示し、地価が上昇した地点は、前年の546地点から2008地点へと大幅に増えた。全国の住宅地は1.6%減、商業地は2.1%減と、ともに下落幅は前年より縮小しているが、公示地価の下落に伴い、路線価も5年連続の下落となる公算が強いとみられている。
ところで、5年前の2008年分からは紙による路線価図等(冊子)を国税局・税務署に備え付けないことになった。
2008年以降、国税局や税務署の窓口には、路線価図等閲覧用のパソコンが設置されている。混雑時は待つ必要も出てくるが、自宅や会社のパソコンから国税庁のホームページの「路線価図等の閲覧コーナー」にアクセスすれば、従来どおり、全国の過去3年分の路線価図等を見ることができる。

投稿者: TAO税理士法人

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