2015年度税制改正大綱の決定は、当初、年内の公表が危ぶまれていたが、一転、年内の12月30日に公表することが確実になった。安倍晋三首相は12月15日、衆院選大勝を受けた記者会見で「年内に経済対策を取りまとめる」と公言。経済対策の柱となる自民党税制改正大綱を年内に策定するよう指示し、これを受けた自民党税制調査会が12月30日に取りまとめる方針を確認した。
焦点となるのは法人税実行税率の引下げ幅。政府は現在35%とされている法人税実効税率を来年度からの数年間で20%台にまで引き下げる方針だが、2015年度に下げ幅を一気に2.4%台とする方向で調整に入ったという。
また、株価対策としてNISA(少額投資非課税制度)の非課税枠を現在の年100万円から「120万円」に拡大するほか、20歳未満を対象として年80万円まで非課税とする「子ども版NISA」の創設も検討されている。こちらは祖父母や両親が孫や子どもの名義の口座に投資するもので、将来子ども等が受け取る配当や売却益が非課税になる。そのほか、親や祖父母が子や孫に将来の結婚や出産、育児関連の資金を贈与する場合に、上限1500万円まで非課税にする制度を創設する案も検討されている。
消費税の軽減税率の取扱いについては、衆議院選挙で自民公明両党が共通公約として掲げた「消費税率を10%に引き上げる2007年度からの導入を目指す」とする表現がそのまま盛り込まれる方向だ。
2014.12.17更新
【TAO通信】ゴルフ場利用税の廃止問題が浮上
ゴルフ場利用税は、地方税法に基づき、ゴルフ場の利用について、1日当たりの定額で、ゴルフ場の所在する都道府県が課する税金である。そのゴルフ場利用税について、2020年の東京オリンピック開催が決定し、ゴルフがオリンピックの種目にもなっていることから、廃止問題が浮上している。
活躍が期待されるゴルフ競技に課税することはその発展を阻害するという批判の高まりに加え、消費税との二重課税だという主張も根強い。
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の規模や整備状況によって等級が決められ、利用者1人1日当たり300円から1200円の範囲で課税(標準税率800円)されている。ただし、18歳未満や70歳以上、障害のある人、国民体育大会に出場する選手、学生または生徒等とこれらの者を引率する教員が教育活動として行う場合は非課税になっている。なお、ゴルフ練習場の利用は、課税対象とはならない。
今回、東京オリンピック開催を視野にゴルフ場利用税廃止問題が再燃したわけだが、一方で、消費税率が10%に引き上げられた場合は「地方税も増えるので(廃止するには)ひとつのタイミング」(麻生財務相)とみられていた。
しかし、消費税率引上げが1年半延期されたことで、廃止の検討も先送りになる公算が強い。また、同税は道府県税だが、税収の7割がゴルフ場所在の市町村に交付されるため、地方自治体は廃止反対の立場をとっている。
活躍が期待されるゴルフ競技に課税することはその発展を阻害するという批判の高まりに加え、消費税との二重課税だという主張も根強い。
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の規模や整備状況によって等級が決められ、利用者1人1日当たり300円から1200円の範囲で課税(標準税率800円)されている。ただし、18歳未満や70歳以上、障害のある人、国民体育大会に出場する選手、学生または生徒等とこれらの者を引率する教員が教育活動として行う場合は非課税になっている。なお、ゴルフ練習場の利用は、課税対象とはならない。
今回、東京オリンピック開催を視野にゴルフ場利用税廃止問題が再燃したわけだが、一方で、消費税率が10%に引き上げられた場合は「地方税も増えるので(廃止するには)ひとつのタイミング」(麻生財務相)とみられていた。
しかし、消費税率引上げが1年半延期されたことで、廃止の検討も先送りになる公算が強い。また、同税は道府県税だが、税収の7割がゴルフ場所在の市町村に交付されるため、地方自治体は廃止反対の立場をとっている。
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2014.12.10更新
【TAO通信】消費増税2017年4月へ1年半延期
2015年10月に予定されていた消費税率10%への引上げについて、安倍首相は、2017年4月に1年半先送りする意向を表明した。この増税延期の判断により、今後の税制改正にも大きな影響が出てくるとみられている。
税制改正大綱は、例年12月中旬ごろに決定されるが、2015年度大綱は衆院解散の影響から1月上旬となる見通しだ。
食料品など生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の導入については、2014年度税制改正大綱において「消費税率10%時に導入する」とされていたが、増税延期を受けて、自民、公明両党は与党税制協議会で「2017年度からの導入を目指す」と合意文書に明記した。
2015年度税制改正は消費増税と連動する検討項目が多く、まず、2014年度税制改正大綱において消費税率10%引上げ時に廃止するとされていた自動車取得税は、2017年3月末まで存続する見通しだ。
法人実効税率については、数年間で約35%から20%台に引き下げるため、2015年度と2016年度に2%台後半引き下げる方針だが、初年度の引下げ幅は増税先送りの影響を避けられない可能性がある。
また、本年12月末で期限切れとなる、住宅取得資金のための贈与を最大1000万円まで非課税とする優遇措置も、来年以降数年間延長される予定だが、国土交通省が要望する非課税枠3000万円への拡充は難しい状況となる。
税制改正大綱は、例年12月中旬ごろに決定されるが、2015年度大綱は衆院解散の影響から1月上旬となる見通しだ。
食料品など生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の導入については、2014年度税制改正大綱において「消費税率10%時に導入する」とされていたが、増税延期を受けて、自民、公明両党は与党税制協議会で「2017年度からの導入を目指す」と合意文書に明記した。
2015年度税制改正は消費増税と連動する検討項目が多く、まず、2014年度税制改正大綱において消費税率10%引上げ時に廃止するとされていた自動車取得税は、2017年3月末まで存続する見通しだ。
法人実効税率については、数年間で約35%から20%台に引き下げるため、2015年度と2016年度に2%台後半引き下げる方針だが、初年度の引下げ幅は増税先送りの影響を避けられない可能性がある。
また、本年12月末で期限切れとなる、住宅取得資金のための贈与を最大1000万円まで非課税とする優遇措置も、来年以降数年間延長される予定だが、国土交通省が要望する非課税枠3000万円への拡充は難しい状況となる。
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2014.12.04更新
【TAO通信】贈与税調査、申告漏れ216億円把握
国税庁では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査など、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、積極的な調査を実施している。贈与税調査は、相続税の実地調査の際に生前の財産移転の把握を行うことによって無申告が判明することが多いが、2013年度は相続税の実地調査の減少の影響から贈与税の実地調査件数も減少した。
今年6月までの1年間(2013事務年度)における贈与税の実地調査は3786件(前事務年度比17.7%減)行い、うち約90%に当たる3424件(同17.5%減)に申告漏れ等の非違があり、その申告漏れ課税価格216億円(同3.1%減)を把握、75億円(同18.4%増)を追徴課税した。
実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は571万円(同17.7%増)で追徴税額は197万円(同43.8%増)となる。
贈与税で問題なのは、贈与税の申告漏れ等非違件数の86.2%と9割近くが無申告事案であることだ。申告漏れ財産の内訳をみると、「現金・預貯金等」が約107億円(構成比49.5%)で5割を占め、「有価証券」が約68億円、「土地」が約8億円、「家屋」が約3億円と続き、生命保険金や金地金などといった「その他」が約31億円だった。「現金・預貯金等」の贈与は、税務当局にばれまいと高をくくっている納税者が多いことを裏付ける。
今年6月までの1年間(2013事務年度)における贈与税の実地調査は3786件(前事務年度比17.7%減)行い、うち約90%に当たる3424件(同17.5%減)に申告漏れ等の非違があり、その申告漏れ課税価格216億円(同3.1%減)を把握、75億円(同18.4%増)を追徴課税した。
実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は571万円(同17.7%増)で追徴税額は197万円(同43.8%増)となる。
贈与税で問題なのは、贈与税の申告漏れ等非違件数の86.2%と9割近くが無申告事案であることだ。申告漏れ財産の内訳をみると、「現金・預貯金等」が約107億円(構成比49.5%)で5割を占め、「有価証券」が約68億円、「土地」が約8億円、「家屋」が約3億円と続き、生命保険金や金地金などといった「その他」が約31億円だった。「現金・預貯金等」の贈与は、税務当局にばれまいと高をくくっている納税者が多いことを裏付ける。
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