TAO通信

2012.03.28更新

 国税庁がまとめた「2010年度分税務統計から見た法人企業の実態調査」結果によると、2010年度分の法人数は258万6882社で、このうち、連結親法人は890社、連結子法人は6528社だった。連結子法人を除いた258万354社のうち、赤字法人は187万7801社で、赤字法人割合は72.8%と、1951年分の調査開始以来過去最高の割合となった前年度と同率となった。
 2010年度分の営業収入金額は、前年度に比べ2.2%増の1353兆1278億円、黒字法人の営業収入金額も同1.8%増の754兆8459億円でともに3年ぶりの増加、所得金額も同7.0%増の32兆4351億円で4年ぶりに前年を上回った。赤字法人割合は過去最高だったものの、順調に景気回復を図っている企業との二極化がうかがえる。
 一方、2011年4月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などに使った交際費は、前年度に比べ▲2.1%の2兆9360億円と、4年連続で減少し、過去最高だった1992年分の6兆2078億円に比べほぼ半減した。
 また、企業が支出した寄附金の額は6957億円で、前年度比27.3%の大幅増となり調査開始以降で最高額を記録している。これは、昨年3月に発生した東日本大震災に伴う国や地方自治体、日本赤十字社などへの「指定寄附金」が2459億円と同42.5%も大幅に増加したことが影響しているが、この調査には大震災発生月の20日弱までしか含まれておらず、来年発表の2011年度分ではさらに大幅な増加が予想される。

投稿者: TAO税理士法人

2012.03.28更新

 日本人の家計貯蓄率が1970年代の20%の水準をピークに長期間低下・横ばい傾向なのは、なぜだろうか。2010 年には2.5%まで下がってしまった。2000年以降はデフレと不景気で、多くはお小遣い(可処分所得)を減らした。
 現在も経済状況はデフレ下にあるが、いっこうにデフレ脱却の様子が見えてこない。さらに消費税アップが視野に入ると、消費は減少となり貯蓄奨励へと針が振れるはずだ。総合的には社会給付や税・社会負担など「税・社会保障一体改革」政策が貯蓄増減に影響を与える度合いが強い。
 家計貯蓄率の低下傾向の要因として、総務省や内閣府、多くの調査機関も高齢化を上げる。その趣旨は「60歳代以上の高齢者世帯の増加は家計貯蓄率の低下に大きく響き、特に高齢者の無職世帯が増加していることも大きい。これら高齢無職世帯は公的年金給付水準の低下などで、貯蓄を取り崩し支出を賄っている」という。
 しかし家計貯蓄率は景気変動による影響を受けるが、2000~01年代の家計貯蓄率の急低下は所得の大幅減少が主因である。もっとも2000 年代以降を見ると可処分所得低下や消費支出があまり減少しなかったため目立たない。
 政府は消費税アップに躍起になっているが、国民は所得増=労働生産性向上に懸け一途に働くしか手立てがないのである。国の対策は中途半端で、定年延長とはいえ失業率は高止まり、加えて大震災...景気のいい復興や回復の話は見えてこない。

投稿者: TAO税理士法人

2012.03.13更新

 確定申告も終盤を迎え、申告書を提出してホッとしている方も多いと思われるが、確定申告は税金を納めて完了する。
 特に、振替納税を利用している人は、確実に銀行口座から引き落されるように、あらかじめ指定口座の残高を確認し、振替日の前日までに納税額に見合う預貯金額を用意したい。今年の振替日は、所得税が4月20日(金)、消費税及び地方消費税が4月25日(水)。1円でも足りないと振替ができないことになり、納税のために延滞税も加えたところで銀行や税務署に足を運ぶことになってしまう。
 納期限までに納税できないと、納期限の翌日から完納の日までの間の延滞税と本税を併せて納付することになる。振替納税についても、残高不足などで振替ができなかった場合は、同様に納期限までさかのぼってその翌日から延滞税がかかる。延滞税は、3月16日から5月15日までの2ヵ月間は年4.3%、それ以降は年14.6%の割合でかかる。この超低金利時代には高い金利だ。期限内納付を心がけたい。
 ところで、振替納税制度では、一度振替納税を選択すれば次年度以降も特段の手続きをせずに継続して利用できることはよく知られているが、「振替納税は税目ごとに利用する、しないを選択できるようになっている」ことを知らない納税者が多いようだ。つまり、所得税の振替納税を利用していても、消費税等については別途、手続きをしないと振替納税が利用できないことになる。

投稿者: TAO税理士法人

2012.03.13更新

 日本経団連の倫理憲章の改定を受けて、企業の人事担当者はいま、13年度新卒採用戦線の戦い方で苦慮している。昨年末経団連は『採用活動における早期化の自粛』を呼びかけ、他の経営者団体とすり合わせることなく独走した。
 その倫理憲章改定のポイントとは、大学教育への配慮の下、採用活動における早期化の自粛を行うとして、インターネットなど不特定多数向けの情報発信以外の広報活動は、①卒業・修了学年前年の12月1日以降とする、②同日以前の学内セミナーを自粛する、③選考活動の開始は、卒業・修了学年の4月1日以降とする、④正式内定は10月1日以降とする――など。
 インターンシップ(就業体験)についても、採用とは一切関係ないことを明確にし、1~2年生にも実施することが望ましい、など制約がつき合同説明会も姿を消した。就職ナビサイトのプレエントリー受付や企業合同の就職イベント開催もずれ込んだ。
 この改定で今後の企業側の対応をみると―。「学生が後期試験とダブり準備不足。時期が集中することで採用にかかる作業が大変になった」「学生に接触する機会が少なくなり特定企業への集中がさらに強くなる」「大手企業は通年採用を行い門戸を広げるべき」「採用を自由化してはどうか」など経団連への注文は多い。
 13年度の傾向は大手中心に採用増が見込まれそうで、昨年度より「薄日」の兆し。そのため採用活動の動き出しが早まるだろう。

投稿者: TAO税理士法人

2012.03.06更新

 3月18日より、観光庁などの主導で「東北観光博覧会」が行われるというが、どうも盛り上がりに欠ける。それより、全国46地方新聞社と共同通信社が合同で昨年から始めた『地域再生大賞』の方が、しっかり地に足を付けた取り組みとして注目される。識者や専門家らで「地域再生」をテーマに地方問題を話し合う「地・宝・人(ち・ほう・じん)ネット」も始めている。
 今年1月に行われた表彰では広島の団体「ブルーリバー」に再生大賞(副賞100万円)、準大賞(同30万円)は「定禅寺ストリートジャズフェスティバル実行委員会」(宮城)と「大宮産業」(高知)が選ばれた。
 ブルーリバーは住民出資の会社。割安の賃貸住宅を子育て世帯に提供し住民を増やすなど、企業や自治体にできないきめ細かなコミュニティ維持の手法が評価された。「定禅寺」は市民ボランティア中心にユニークな音楽祭を育てた。大宮産業は、山あいの地で、住民が日用品販売に取り組む努力が支持された。
 この「地方再生大賞」は東日本大震災からの復興や地域文化の継承、生態系の保全などテーマが明確だ。いずれも審査対象の着眼点を地元密着と生活者に置いている。住民の安定があってこそ地域全体にマーケティング発想が生まれるとの考えからだ。それに比べ「東北観光博」は消化不良で終わる恐れがあろう。
 特別賞にはボランティア支援団体「遠野ふれあいネット」(岩手)が選ばれた。

投稿者: TAO税理士法人

2012.03.06更新

 教育訓練費の税額控除が今年の3月末でいよいよ期限切れとなる。これは、中小企業が負担した教育訓練費について一定割合の税額控除を認める制度。人件費に占める教育訓練費の割合が0.15%以上かつ0.25%未満なら、その教育訓練費の額に「(教育訓練費割合-0.15%)×40+8%」で算出した割合を乗じた額を税額控除限度額とし、0.25%以上なら12%相当額までの税額控除が認められる。
 教育訓練費は、①使用人に対して教育訓練等を自ら行うために講師や指導者に対して支払う報酬、料金、謝金及び施設・設備の使用料など、②他者に委託して教育訓練等を行う場合に、その委託先に対して支払う費用、③使用人を他者が行う教育訓練等に参加させる場合に支払う授業料、受講料、受験手数料等などが対象となる。
 同制度はもともと2011年3月31日をもって廃止される予定だったが、棚上げとなっていた2011年度税制改正法案から与野党合意がなされた部分だけを切り離した新法案の成立で、2012年3月31日まで延長されることになった。
2012年度税制改正法案にはさらなる延長の記載はないため、このままいけば今年3月31日をもって廃止となる。とはいえ、同制度は「2012年3月31日までに開始する事業年度について適用」という規定ぶりとなっているため、実質的にはまだあと1年の猶予があることになる。教育訓練費の支出予定がある会社は、タイムリミットを頭に入れて慎重に対応することをお勧めしたい。

投稿者: TAO税理士法人

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