国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。財務省は、国民負担率が、2016年度予算では2015年度見込みから0.5ポイント減の43.9%で、7年ぶりの低下となる見通しと発表した。緩やかな景気回復で国民所得が増える一方、労使折半の雇用保険料などが下がることが要因。16年度見通しの内訳は、国税15.9%、地方税10.3%で租税負担率が26.1%、社会保障負担率は17.8%。
2015年度見込みに比べ、租税負担率は0.4ポイント減(国税0.2ポイント減、地方税0.1ポイント減)、社会保障負担率は0.1ポイント減。社会保障負担は、この統計を開始した1970年以降では最高だった15年度(17.9%)をわずかに下回る。
国民負担率を諸外国(13年実績)と比べた場合、アメリカ(32.5%)よりは高いが、フランス(67.6%)、スウェーデン(55.7%)、ドイツ(52.6%)、イギリス(46.5%)などよりは低い。
真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2016年度の国民所得(15年度に比べ11万7千円増の385万9千円)に対する財政赤字の割合は、前年度から横ばいの6.7%となる見通し。この結果、16年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、15年度からは0.5ポイント減の50.6%となる見通しだが、引き続き5割を超えている。