国税庁では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査など、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、積極的な調査を実施している。贈与税調査は、相続税の実地調査の際に生前の財産移転の把握を行うことによって無申告が判明することが多いが、2013年度は相続税の実地調査の減少の影響から贈与税の実地調査件数も減少した。
今年6月までの1年間(2013事務年度)における贈与税の実地調査は3786件(前事務年度比17.7%減)行い、うち約90%に当たる3424件(同17.5%減)に申告漏れ等の非違があり、その申告漏れ課税価格216億円(同3.1%減)を把握、75億円(同18.4%増)を追徴課税した。
実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は571万円(同17.7%増)で追徴税額は197万円(同43.8%増)となる。
贈与税で問題なのは、贈与税の申告漏れ等非違件数の86.2%と9割近くが無申告事案であることだ。申告漏れ財産の内訳をみると、「現金・預貯金等」が約107億円(構成比49.5%)で5割を占め、「有価証券」が約68億円、「土地」が約8億円、「家屋」が約3億円と続き、生命保険金や金地金などといった「その他」が約31億円だった。「現金・預貯金等」の贈与は、税務当局にばれまいと高をくくっている納税者が多いことを裏付ける。
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