適切な管理が行われていない空き家等が治安や防災、衛生、景観などの観点から地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている。こうしたことから、居住実態のない空き家を自治体が取り壊したりすることができるようにする「空き家対策特別措置法」が5月26日に、全面施行される。
固定資産税の住宅特例対象から除外する措置を盛り込んだことで、問題が解消の方向に向かうことが期待されている。
総務省の統計によると、2013年の全国の空き家総数は2008年から63万戸増えて820万戸と急激に増加。人口減少社会の反映とも言えるが、長年、適正な管理がされていない危険な住宅が崩壊したり、放火されたりする例が増加して社会問題化したことで特措法が制定された。居住していない所有者にとっては、取壊しによる高額な費用の工面や更地化すると固定資産税の住宅特例が適用されなくなることが放置の理由とされてきた。
そこで今回、国が空き家対策の要としたのが、固定資産税の住宅用地特例の適用除外だ。現在、200平方メートル以下の部分は固定資産税の税額が6分の1に、200平方メートルを超える部分は3分の1になっているが、今回の措置によって、市町村が「特定空き家」と認定した場合は、特例が適用されなくなるとともに、立入調査したり、指導、勧告、命令、さらには取り壊すなどの行政代執行も可能になった。
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