国税庁が公表した今年6月までの1年間(2014事務年度)における法人税調査事績によると、大口・悪質な不正計算が想定されるなど調査必要度の高い9万5千法人(前年度比4.9%増)を実地調査した結果、うち約74%に当たる7万件(同6.1%増)から5年ぶりの増加となる総額8232億円(同9.6%増)の申告漏れを見つけた。追徴税額は1707億円(同7.3%増)。調査1件当たりの申告漏れ所得は866万円(同4.5%増)となる。
調査した19.5%(不正発見割合)に当たる1万9千件(前年度比10.2%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は前年度比16.7%増の2547億円で8年ぶりに増加。1件当たりでは同5.8%増の1373万円となった。
不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が57.1%で13年連続のワースト1位。「バー・クラブ」は、近年25年間で24回1位という不名誉な記録を持つワースト業種の常連。以下、前年3位の「パチンコ」(29.6%)、同ランク外の「ホテル、普通旅館」(28.4%)の順で続く。
また、1件当たりの不正所得金額が大きい10業種では、ランク上位常連の「パチンコ」が5722万円で前年に引き続き1位、2位は前年6位の「電気通信機械器具卸売」(2543万円)、3位は同6位の「情報サービス、興信所」(2210万円)、4位は同2位の「自動車・同付属品製造」(2083万円)と続く。