民・公明の両党は12月16日夕、2016年度与党税制改正大綱を正式決定した。柱は、消費税の軽減税率制度の導入のほか、法人実効税率の引下げで、国・地方を通じた法人実効税率(現行32.11%)は、2018年度までの段階的な引下げを明記した。2016年度に29.97%と、目標としていた「20%台」を改革2年目にして実現し、さらに2018年度に29.74%に下げる。2013年度の37%からの下げ幅は7%を超える。
消費税の軽減税率制度は、対象品目を巡って最後まで紛糾したが、「酒類及び外食を除く食品全般」と定期購読契約の新聞(週2回以上発行)で決着。ただし、必要な財源約1兆円については、2016年度末までに安定的な恒久財源を確保するとして、具体的な議論は先送りした。また、消費税の納税額を正確に把握するインボイス(税額票)は、軽減税率を導入する2017年4月から4年後の2021年4月とし、それまでの間は簡素な方法とする。
所得税では、(1)一定のスイッチOTC医薬品の年間購入額が1万2千円を超えると、8万8千円を限度に課税所得から控除する医療費控除の特例を創設、(2) 三世代同居の住宅をリフォームした場合、改修費に相当する住宅ローンの年末残高から2%を5年間、税額控除する特例、(3)一定の時期以前に建築された空き家を相続した場合、居住用財産の譲渡所得に3000万円の特別控除を適用、などが盛り込まれている。