2016年度税制改正では、非居住者にも住宅ローン控除等の適用が拡大され、また、「多世代同居改修工事」に係るリフォーム減税が創設される。現行の住宅ローン控除等の規定では、「居住者」が住宅の取得等をし、居住の用に供した場合に限り、控除等の適用が受けられる。そして所得税法では、居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続き1年以上居所を有する個人をいい、居住者以外の個人を「非居住者」と規定している。
このため、例えば、長期海外勤務により非居住者となっていた会社員が、帰国後に居住者として住宅の取得等をした場合は住宅ローン控除等が適用されるのに対して、帰国後の住居の確保のために前もって非居住者期間中に住宅を取得等した場合は適用されなかった。
今後も海外勤務をする者の増加が見込まれることから、改正では控除等の適用対象者を「居住者」から「個人」に見直し、居住者以外でも特別控除の適用ができるように整備した。
この改正は、2016年4月1日以後に取得・増改築等する住宅から適用される。
また、2016年度税制改正大綱で盛り込まれていた「三世代同居改修工事をした場合のリフォーム減税の創設」は、法案では「多世代同居改修工事等」と改められ、「三世帯」だけでなく、「二世帯」同居のための改修工事を行った場合等でも適用できるようになるようだ。