2015年8月に第189国会で成立した中小企業経営承継円滑化法及び小規模企業共済法の一部改正について、その施行期日を2016年4月1日とする施行期日令が閣議決定された。
中小企業経営承継円滑化法の一部改正は、中小企業における経営の承継をより円滑化するため、対象が親族内承継に限定されている遺留分に係る民法の特例制度を親族外承継にも拡充するもの。
改正の背景には、事業承継の形態が多様化し、20年前は親族内承継が約9割だったが、近年は親族外承継が約4割と増加傾向であるため、親族外承継を円滑化するための措置を講じることが必要との考えがあった。
そこで、中小企業経営承継円滑化法の一部改正において、対象が親族内承継に限定されている「遺留分特例制度」について、親族外承継の際にも活用できるように、制度を拡充したもの。
一方、小規模企業共済制度とは、いわば「経営者の退職金制度」で、個人事業者や会社等の役員が、廃業・退職後の生活の安定等を図るための資金として積み立てを行う制度。
現行制度は、廃業した場合に最も多額の共済金を支給するが、改正後は、個人事業者が親族内で事業承継した場合も、廃業と同様の支給額とする。例えば、月額4万円で20年間納付した場合の支給額は、廃業時は1115万円だが、現行968万円の親族内承継時も同額となる。