2016年度税制改正で来年4月の消費税率引上げ時に消費税の軽減税率制度が導入されるが、国税庁は、消費者や事業者が軽減税率の対象になるかどうかを判断するための参考となる事例集を公表した。事例集には、「飲食料品」の譲渡の範囲等や外食の範囲など全75項目がQ&A形式で掲載されている。
軽減税率制度では、客の自宅やホテルに出向いて調理や給仕を伴うケータリング・出張料理などのような「譲渡の相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供」は外食に当たるため、軽減税率の対象から除外される。ただし、「有料老人ホームその他の人が生活を営む場所として政令で定める施設」での飲食料品の提供は、外食の対象外として軽減税率が適用される。事例集では、外食の範囲の中で「有料老人ホームの飲食料品の提供」を掲載し、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅での食事は、原則軽減税率の対象だが、食事の対価の額(税抜き)が1食当たり640円以下で、1日の合計の食事代が1920円までが軽減税率の対象となることを明らかにしている。これは、小中学校などの食事も同様となる。
一方で、学生食堂や社員食堂の食事は軽減税率の対象とはならない。事例集によると、軽減税率の適用対象となる「学校給食」とは、その学校の児童や生徒の全てに対して学校給食として行う飲食料品の提供をいうので、利用が選択できる学生食堂での食事はこれに該当しない、と説明している。