TAO通信

2018.07.05更新

平成30年度税制改正において、事業承継税制の要件等が大幅に見直されたました。本特例のポイントや、その適用関係の概略をご説明します。

 

1.承継計画の策定

特例税制の適用を受ける前提として、経営革新等支援機関の指導及び助言を受けて「承継計画」を作成することが必要です。承継計画の提出期間は平成30年4月1日から平成35年3月31日までに限られます。なお、平成35年3月31日までの贈与・相続については、贈与・相続後に計画を提出することも可能です。また、仮に計画提出後に贈与をしなくても罰則等はありませんので、承継の具体的な予定がなくても、まずは計画の提出を検討してもいいかもしれません。

 

2.相続税•贈与税の納税猶予

特例税制を適用し、後継者が自社株式の贈与税の納税猶予を受けている場合は、贈与者が亡くなったときに、贈与された自社株式を相続したものとみなして、相続税の課税対象としたうえで、さらに相続税の納税猶予を受けることができます。あるいは、自社株式の贈与を受けていない場合でも、先代経営者が亡くなったときに、自社株式を相続して事業を引き継げば、相続税の納税猶予を受けることができます。特例税制の適用は、平成30年1月1日から平成39年12月31日までの贈与及び相続に限られますが、この間に特例税制を適用して贈与を行うことで、平成40年1月1日以降に相続が発生した場合でも、全額が納税猶予されます。

 

3.贈与者と受贈者

特例税制では、複数の株主から複数の後継者(最大3人)への自社株式の贈与•相続も対象となりました。先代経営者の配偶者や第三者からの贈与•相続や、代表権を有するなど一定の要件を満たせば他の後継者にも、贈与•相続が可能です。

 

4.相続時精算課税との併用

平成29年度税制改正により、後継者(受贈者)が推定相続人(子又は孫)であれば、相続時精算課税の併用が認められることとなりました。平成30年度税制改正では、上記に加え、親族外の後継者等に対する贈与についても、相続時精算課税の併用が可能となりました。相続時精算課税との併用は、猶予期限の確定事由が発生した時に相続時精算課税を選択するのではなく、贈与税の納税猶予の適用を受ける年分に相続時精算課税の選択をしておくことが必要です。

 

5.事業承継税制と民法特例

民法の特例として経営承継円滑化法には、①「贈与株式等を遺留分の対象から除外する合意制度」と、②株式承継後、後継者の功績により株式評価額が承継時よりも上昇した部分を遺留分請求の対象外とする「株価評価額の固定合意制度」が用意されています。特例税制を適用する際には、この民法特例の活用についても検討が必要です。

投稿者: TAO税理士法人

2018.05.08更新

ふるさと納税で受け取った返礼品は、所得税では「一時所得」になります。一時所得には、この返礼品以外に、生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金、懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の返戻金などがあります。一時所得は下記の計算式で求めることができます。

 

 一時所得の金額=総収入金額-収入を得るための支出金額※-特別控除額(最高50万円)

   ※支出金額にふるさと納税の寄付金は含まれません。

 

上記の一時所得の1/2の金額を他の所得と合計して所得税が計算されます。

返礼品(時価)だけで50万円を超えなくても、他に一時所得があれば、合計で50万円を超える可能性があるため注意が必要です。返礼品の時価がわからない場合には、寄付額の30%相当額が目安となります。

投稿者: TAO税理士法人

2018.03.27更新

4月は新入社員の入社や従業員の扶養家族の異動などに伴い税務や社会保険の手続きが多くなります。中小企業は従業員の入退社などが頻繁に行われることはあまりないことから手続きの漏れや誤りが起こりがちです。手続きや届出に漏れがないよう注意しましょう。

 

・家族に異動があれば「扶養控除等(異動)申告書」の提出が必要

4月は従業員の家族(扶養家族)に入学・卒業・就職などの異動がある時期です。扶養家族に異動があった場合には、その都度、従業員から「扶養控除等(異動)申告書」の提出を受ける必要があります。

また、入社時に提出を受ける「扶養控除等(異動)申告書」には、マイナンバーを記載してもらいます。マイナンバーを取得する際、利用目的の説明が必要なため、入社時の提出書類の案内書等に、あらかじめ利用目的を記載しておくとよいでしょう。

 

・社会保険・雇用保険の手続き

社員が入社すると、健康保険・厚生年金保険、雇用保険の資格取得などの手続が必要になります。届出書類の作成の際は、入社時に提出を受ける書類(履歴書、年金手帳、被扶義者の情報など)の内容を確認します。

健康保険・厚生年金保険の手続は会社所在地を管轄する年金事務所(又は加入している健康保険組合、厚生年金基金)に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出します。届出書類は被扶養者の有無によって異なりますので確認が必要です。

また、被扶養者に該当するかどうかは、収入要件(年収130万円未満(60歳以上75歳未満の人や一定の障害のある人は年収180万円未満)であって、かつ被保険者の年収の2分の1未満である場合等)を確認する必要があります。

雇用保険の手続は、会社所在地を管轄するハローワークへ「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要になります。

投稿者: TAO税理士法人

2018.02.16更新

平成30年から配偶者控除及び配偶者特別控除が見直されまず。そのため、「103万円の壁が150万円の壁になるのですか?」「所得税は減税になるのですか?」といった質問がよくあります。配偶者控除等の改正の影響は、納税者本人と配偶者それぞれの所得によって異なります。

 

■配偶者控除に所得制限が設けられる

配偶者控除には、性別の規定はありませんが、例えば夫婦共働きで、妻が夫の扶養の範囲内でパート勤めのケースであれば、妻が配偶者になり、配偶者控除を受ける人は夫(納税者本人)になります。

※以下では、理解を容易にするため、配偶者控除を受ける人を「夫」、その配偶者を「妻」と仮定して説明しています。

妻のパート収入が年103万円以下であれば、夫は最高38万円の「配偶者控除」を受けることができますが、改正によって、夫に所得制限が設けられました。

夫の収入(給与の収入。以下同じ)が年1,120万円を超えると控除額が逓減(38万円→26万円→13万円)し、年1,220万円を超えると適用が受けられなくなります。夫の年収が高い場合には、増税になりますが、夫の年収が1,120万円以下で妻の年収が103万円以下の範囲であれば、改正前と変わりはありません。

 

■配偶者特別控除の控除枠が拡大

妻の収入が年103万円を超えると、妻の収入に所得税がかかります。これは、改正後も変わりません。また、夫は配偶者控除の適用ができなくなりますが、代わって「配偶者特別控除」を受けることができます。配偶者特別控除は、妻の収入によって段階的に縮小されますが、改正によって、夫の所得から最高38万円の控除を適用できる妻の収入は年150万円以下まで拡大されています(改正前は年105万円未満)。

投稿者: TAO税理士法人

2016.07.27更新

土地等の非減価償却資産の取得価額については、法人税法上の規定はないが、原則として通常の減価償却資産の取得価額と同様の取扱いによって判断される。土地の購入であれば、購入費用と、その土地を事業の用に供するために直接要した費用の合計額が取得価額となる。しかし、問題となるのは、建物付きの土地を購入し、その土地に工場などの新たな建物を立て直す場合である。

法人税法基本通達7-3-6では、土地とともに取得した建物等をおおむね1年以内に取り壊す場合において、それらの取壊し費用等は、その土地の取得価額に含めなければならない、と規定している。この規定は、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的で建物等も取得したことが明らかである場合に適用される。ただし、火災などの不測の事態が生じ、その結果取り壊すことになった場合はこの適用はないとされている。

つまり、土地付建物を取得して1年以内に建物等を取り壊した場合には、どんな場合でも必ずそれらの費用を土地の取得価額に算入しなければならないわけではない。

初めは建物を事業用の目的で取得し、その後やむを得ない理由が生じてその使用を諦めざるを得ないときは、たとえ取得後1年以内にその建物を取り壊したとしても、建物の帳簿価額と取壊し費用の合計は、土地の取得価額に含めずに、取り壊したときの損金とすることができる。

投稿者: TAO税理士法人

2016.07.21更新

2014年4月から、2年分の国民年金保険料を前納することができることとされている。保険料の支払いは、口座振替のみが対象で現金払いやクレジットカードでの支払いはできない。

この2年前納された国民年金保険料に係る社会保険料控除については、(1)納めた年に全額控除する方法と、(2)各年分の保険料に相当する額を算出し各年において控除する方法を選択することができることとされている。

ただし、一度(2)の方法を選択した場合は、(1)の方法による控除に戻すことができないということなので、慎重に検討して選択する必要がある。

また、いずれの方法を選択した場合であっても、年末調整において、所得者本人が納めた国民年金保険料について社会保険料控除を受けるためには、日本年金機構が発行した社会保険料控除証明書を給与所得者の保険料控除申告書に添付して、給与等の支払者へ提出又は提示することとなっている。

日本年金機構が発行する社会保険料控除証明書には、前納分を含め、その年に納付された保険料の総額が記載されていることから、上記の各年分の保険料相当額を各年において控除する方法を選択する場合には、所得者自らが各年において「社会保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」を作成の上、日本年金機構が発行した控除証明書と併せて給与所得者の保険料控除申告書に添付して給与等の支払者へ提出することとなっている。

投稿者: TAO税理士法人

2016.07.13更新

全国の国税局・税務署において7月1日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2016年分の路線価及び評価倍率が公表された。今年1月1日時点の全国約32万8千地点における標準宅地の前年比の変動率の平均は0.2%(昨年▲0.4%)とわずかながら上向き、8年ぶりの上昇となった。

都道府県別の路線価をみると、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値の上昇率が「5%未満」の都道府県は、昨年分の1都2府7県から1都2府11県の計14都府県に増えた。下落率が「5%未満」の都道府県は昨年の35道府県から33道府県に減少し、下落率が「5%以上」の都道府県は昨年に引き続きゼロとなった。路線価が8年ぶりに上昇した要因には、金融緩和等の後押しもあり不動産向け投資が拡大したことや、訪日外国人の増加を見込んだ店舗・ホテル需要の高まりなどがある。

都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位は東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、1平方メートル当たりの路線価は前年から18.7%上昇の3200万円となった。以下、大阪・北区角田町の「御堂筋」1016万円(増減率+22.1%)、名古屋市中村区名駅1丁目「名駅通り」840万円(同+14.1%)、横浜市西区南幸1丁目の「横浜駅西口バスターミナル前通り」781万円(同+9.5%)と続く。

路線価日本一は、31年連続1位となる東京・銀座「鳩居堂前」(1平米3200万円)で、新聞紙1枚当たり約1411万円となる。

投稿者: TAO税理士法人

2016.07.06更新

厚生労働省は6月17日、同省HPにおいて、2016年度税制改正で創設されたセルフメディケーション税制(スイッチOTC薬控除)の対象となる医薬品の具体的な販売商品名リストを公表した。同日現在の対象商品は1492品目。今後も、同特例の対象となる製品に関する新商品の販売や販売中止等による増減があることを踏まえ、必要に応じて2ヵ月に1回のペースで更新する予定としている。

この特例は、自分や自分と生計を一にする配偶者その他の親族のために「スイッチOTC薬」を購入した場合、年間1万2000円を超える部分の金額を、8万8000円を限度としてその年分の総所得金額等から控除できるというもの。適用は2017年1月1日から2021年12月31日までの5年間。現行の医療費控除との選択適用となる。

リストには「販売商品名」、「製造販売業者名」、「成分名」が記載されている。対象となった医薬品の成分で最も多かったのが消炎鎮痛剤としてシップ薬などに使われるインドメタシンで、「バンテリンコーワパップS」(興和)や「サロンパスEX」(久光製薬)など208品目。これに次ぐ成分がプレドニゾロン吉草酸エステルで、「オイラックスPZ軟膏」(ジャパンメディック)や「メンソレータムメディクイックH」(ロート製薬)など184品、フェルビナクが「ハリックスホグリラ温感(ライオン)など154品目、イブプロフェンが「ベンザブロックL」(武田薬品)など148品目に使われている。

投稿者: TAO税理士法人

2016.07.01更新

相続・事業承継のツボ

 

丸善

投稿者: TAO税理士法人

2016.06.29更新

 国税庁・国税不服審判所が公表した異議申立てや審査請求、訴訟の概要によると、今年3月までの1年間(2015年度)の不服申立て・税務訴訟等を通しての納税者救済・勝訴割合は8.2%となった。

 税務署への異議申立ての発生件数は、前年度から15.8%増の3191件となった。処理件数3200件のうち、「一部取消」は212件、「全部取消」は58件で、納税者の主張が一部でも認められたのは計270件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を0.9ポイント下回る8.4%だった。

 また、税務署の処分(異議決定)を不服とする国税不服審判所への審査請求の発生件数は、過去最低だった前年度と比べ3.3%と微増の2098件。処理件数2311件のうち、「一部取消」は147件、「全部取消」は37件で、納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同横ばいの8.0%となった。

 一方、裁判での訴訟となった発生件数は前年度を2.5%下回る231件だった。終結件数262件のうち、「国の一部敗訴」は3件、「同全部敗訴」は19件で、国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同1.6ポイント増の8.4%となっている。

 このような納税者救済・勝訴割合は、あくまでも結果論だが、全体でみると、2015年度中に異議申立て・審査請求・訴訟を通して納税者の主張が一部でも認められたのは、処理・訴訟の終結件数の合計5773件のうち476件で、その割合は前年に比べ0.4ポイント減の8.2%となった。

投稿者: TAO税理士法人

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