米国に「TEACH FOR AMERICA(TFA)」というNPOがある。
これは、1990年に米国の女子大学生が卒業論文において「豊かな地域と貧困地域の教育格差が開いているのはどうしてだろう?」という問いかけをし、それを出発点とするプログラムを実践する団体である。具体的には、エール大学、スタンフォード大学等の米国国内の一流大学の卒業生を卒業後2年間、国内各地の教育困難地域にある学校に常勤講師として赴任させるというものだ。プログラムは、モルガンスタンレー、モービル石油、アップルコンピュータといった米国の大企業からの資金援助を受けて運営されており、携わった卒業生が、総じて、特に創造力やリーダーシップの面で、優秀であることから企業からの評判が良く、以来米国では、大学→TFA→就職のルートが最もクールなキャリアになっているそうだ。
このTFAは今までになかった新しい仕事を作り出し、それが社会の変化をもたらした成功例の一つとして語られている。TFAの例でもそうだが、新しい仕事はいつも素朴な「問いかけ」から始まる。
「なぜ、日本はこんなに暑くなったの?涼しく過ごす方法はないかな?他の暑い国はどうしているのだろう?」、「介護でとても忙しいし、ストレスを感じる。自分だけで頑張ろうとするから?何かうまく使える場所や一緒にやってくれる人はいないの?」、「どうして我社の商品は若い人に売れないの?パッケージが洗練されていないから?」etc.
「当たり前」や「そんなもんでしょう」という発想の中には、問いかけは生まれない。また、本当の必要性に根ざした問いかけは、いろいろな経験をし、現実を見つめ、人とのつながりを築く中に生まれると思う。20年後には、多くの人が今存在しない職業に就いている可能性が高いと言われている現在だからこそ、目を見開いて、問いかけを続けることが大切なのではないでしょうか?
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下記の写真は友人が作った「ハーバリウム」。
ハーバリウムとは、特殊なオイルにドライフラワーを漬け込んだもの。もともと植物標本のことだそうです。
まだまだ厳しい暑さが続きそうです。少しでも涼を感じていただければと思います。
(K.I)