今年もやって参りました。そう、確定申告の時期です。といっても多くのサラリーマンの方々にとっては、税金を計算するための手続きといった漠然としたイメージくらいしか持ち合せていないのではないでしょうか。ましてや、自分が1年間に納めた所得税の金額など、すぐに思い出せる方などはなかなかいないのではないでしょうか。
国税庁から出ている「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」には、所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金等の過不足を清算する手続です、とあります。
多くのサラリーマンの方々にとって確定申告が無縁なのは、この手続き自体を勤務先の会社が行っているからなのです。この会社が行う手続きを年末調整といいます。会社は毎月定められた額を給与から天引きして、その天引きした金額を税務署へ納めています。年末になって改めてその従業員さんの扶養の人数を確認し、支払った生命保険料などを考慮することによって、その方の年間の所得金額とこれに対応する年税額を求めます。そして、この年税額と会社が毎月給与の度に天引きした金額とを較べて天引きした金額の方が多い場合には、還付となります。これが年末調整還付金などと呼ばれるものです。ボーナスではありませんので、今年は景気がいいなぁなどと喜んではいけません。
アメリカなど他国ではこのような源泉徴収という制度はあるようですが、日本の年末調整のように勤務先が年税額を計算する仕組みにはなっていないようです。つまりは、サラリーマンであっても自分で年税額を計算して申告を行う必要があるということになります。
なので、この年末調整がない国の国民はいやがうえにも自分が収めた税金に意識が向き、結果としてそれを使う政府等にも厳しい目で見ていく傾向にあるそうです。
3月には一般会計予算も可決されます。私たちも年末調整という制度に甘えることなく、自分が収めた税金に意識を向け、きちんとその税金の使い道にも目を光らせなければいけませんね。
(R.S)