いつも指定席の様に、そこには必ず同じ様に同じ場所に。
同じ時間にポストに行く私を待っているかの様に。
アブラゼミはアオギリの木の味が好きなのでしょうか。
それともとまり心地がいいのでしょうか。

セミの好きな味と言えば、思い出すのはクマゼミです。
静岡の三保に転勤で行った時初めてクマゼミに出会いました。
クマゼミは名前の通り真っ黒でアブラゼミの二回りほど大きな体をしています。
朝早くから、社宅の庭にある大きなセンダンの木に何十匹も鈴なりになって大合唱をしていました。電話の声が聞こえない位の大きな声でした。
とまる場所を争うかの様に飛び交っている様を毎日見ていて、きっとセンダンの味が好きなのだろうなと。
現在の住まい鎌倉では、旅先でしか会う事がないと思っていたヒグラシの優しい声に夏の昼間の暑さを癒されています。思いがけない夏の夕の幸せです。
はたしてヒグラシはどんな味が好きなのか...
それはまだわかりませんが。
また夏がやってきました。
今年もまたいつもの様に同じ場所にいるのでしょうか。
事務所の近くに着いたら立ち止りそっと顔を上げて探してみるのもいかがでしょうか。
(T.H)