『新型コロナウィルス感染症による緊急事態宣言が解除されてからおよそ2か月が経ちました。この宣言が出る前の3月下旬にはいよいよあるかもしれないなんてことが巷でささやき始められておりました頃、これは日本もフランスやイタリアのように都市封鎖(ロックダウン)するのじゃないかと思い、慌てて自分がしたことが本のまとめ買いでした。結果として、海外のような外出禁止はなかったのですが、増えたお家時間を読書に費やすことができました。
その中の一冊をご紹介。
『キネマの神様』原田マハ著 文春文庫
まず、原田マハさんですがキュレーター(学芸員)出身なだけあって、アートをテーマにした作品が数多くあります。代表作は『楽園のカンヴァス』でしょうか。
この『キネマの神様』は映画好きの主人公の父をめぐる心温まる作品で、テンポもよく特に後半部分は段々とページを捲る手が早くなりました。
また、この小説は映画化も決定され2020年12月に公開が予定されていましたが、この新型コロナウィルスの影響により来年に公開が延期されてしまいました。そしてもっと残念なことに、あの志村けんさんが父役で出演する予定でしたが、ご承知の通りこの3月にお亡くなりになりました。
観たかったなあ、けんさん演じるお父さん役。ぜひけんさんを思い浮かべながらこの本を読んでみてください。いろいろな意味で涙が止まらなくなるはず。
(R.S)